【仕事】産業材って何~商流編~

自分は社会人約18年なのだが、ここでは産業材のルートセールスについて記録したいと思う。もう長年勤めているが意外にこのテについて書かれているブログが少ない。

それだけ産業材を扱っている人達が仕事についてオープンにしたくないのか、それともオープンにしてもネタ的につまんねぇ!( ^Д^)と思っているのか。そもそも産業材って何。

とあるサイトの内容をコピペすると…

(カテゴリ:ビジネス用語)

産業財とは、産業消費者が、他の製品を生産・加工または再販売することを目的として原料や素材を購入する財のことである。原材料や各種部品、工作機械などがこれにあたる。産業財はその財が耐久性を持つか持たないかで中間財と投資財に分類される。また、最終消費者が個人の目的で購入して使用する場合には消費財となり、財が新たな財を生み出すために使用されるか、そのまま消費されるかの違いによって区分される。生産財、資本財消費財


と、小難しい事が書いてあるが超大雑把言えば要はBtoBビジネス全般を指している。筆者は製造業に携わっているのでこれからのことは主に製造業の内容について記載する。

1.商流について

この業界で働いている人にとっては常識的な事だが、日本の製造業は他の国と比較してかなり特殊である、と感じている。

何が特殊なのか。ひとえに商流である。以下、一例。

原料メーカー ➡ 商社1 ➡ 加工メーカー ➡ 商社2 ➡ 二次加工メーカー ➡ 商社3 ➡ 部品メーカー ➡ 商社4 ➡ セットメーカー ➡ 商社5 ➡ 中規模メーカー ➡ 商社6 ➡ 最終ビッグメーカー ➡ 商社7 ➡ 一般消費者

これは決して誇張表現ではなく、本当の日本の商流である。恐らく、知っている人にとっては『あるある』だろう。

日本の製品が高価と言われる所以は製造コストもさることながら実はこの商流が最も大きな要因だと筆者は考えている。

知らない人達から見たら違和感満載だ。何その商社の多さ、と。

しかしこの業界ではこれが常識である。いや、おそらくは産業材全てにおいて常識である。日本の学校ではこのテの実情をなぜ、生徒・学生の間に教育で教えないのか甚だ疑問が残る次第だ。この「商流」は日本独特のもの、と言ったが次の項目で説明する。


2.なぜこんな商流なの?

語弊を恐れずに言えば別に商社が無くても本来は商流が成り立つと考えている。商社の主な仕事(特に商社2以降の商流)は『与信』『伝票の煩わしさを代行する』『在庫と配送機能』以外にあまり見いだせない。あえて力のある商社をあげれば『様々な提案を商社目線で取引先に提案する』『多くの販売チャネルを持つ』だが希な例である(所謂、超大手商社などはこれが出来ている場合が多いのではないか。)

ではなぜ未だに存在しているのか。海外と違って次のAおよびBの2点が要因と筆者は考えている。

A 手形取引によるレバレッジ

まず、日本では未だに多くの製造業が手形取引による商売を続けている。手形取引による取引の内容はここでは省略するが、要は身の丈(会社の規模)以上の取引が出来る、と言う現実がある。

最近でこそ、サイトの短縮や現金取引が普通になりつつあるが大多数の中小零細企業は現金ではなく、手形取引が主体だ。例えば産業材におけるFA機器(ファクトリー、オートメーションの略称)は一つのユニットで数十万から数千万まで多種多様であり、金額的に大きい商材も多い。

たとえ、ひとつの商材が十数万円だったとしても、納入先が「100個」で注文を入れてきたとしたらそれだけで数千万円の取引だ。仕入先に数千万円を支払うと簡単に言うが、運転資金の少ない会社にとっては死活問題。

そこで「手形取引」である。業種によって異なると思うが、未だに90日サイトや120日サイトは常識だったりする。「120日の手形」と言っても「月末締め 翌月末起算 120日」であったりするため、実際の支払い期日は150日後である。何と5カ月だ。仕入先への支払いは5カ月も後で良いのだ。

「ツケ」という言葉があるが、まさにソレである。

因みに、支払いだけでなく、回収においても同じことが言えるので、こと日本の商流上での取引は、お金の支払い・回収が複雑なのである。なぜ日本の会社に「経理」がたくさん必要なのか。これらの複雑なお金の計算と確認をする人が必要だからだ。

考えてもみてほしい。インターネット商売であれば全く必要ない。即金だからだ。

ただ、産業材の業界においても他人事ではなく、徐々にこれらの「支払い・回収期日は短く」の考えが浸透し始めている、と筆者は感じている。大企業中心から、中小規模に至るまで波及していくのではないか、と考えている。

仮に浸透すれば例えば今話題の「フィンテック」等が流行るのかな~・・・と、それ系の会社の株をチェックしてみたり。余計でした。

因みに、支払いだけでなく、回収においても同じことが言えるので、こと日本の商流上での取引は、お金の支払い・回収が複雑なのである。

なぜ日本の会社に「経理」がたくさん必要なのか。これらの複雑なお金の計算と確認をする人が必要だからだ。

考えてもみてほしい。インターネット商売であれば全く必要ない。即金だからだ。ただ、産業材の業界においても他人事ではなく、徐々にこれらの「支払い・回収期日は短く」の考えが浸透し始めている、と筆者は感じている。大企業中心から、中小規模に至るまで波及していくのではないか、と考えている。仮に浸透すれば例えば今話題の「フィンテック」等が流行るのかな~・・・と、それ系の会社の株をチェックしてみたり。余計でした。

B 日本人はなんでもやってくれる御用聞きが大好き(*^。^*)

海外の観光客が日本に来て驚く事のひとつに「サービスのきめ細かさや正確さ」があげられる。代表的なのが「電車の正確性」だ。

ハッキリ言って日本の電車の正確性は世界一である。あ、れ、だ、け、路線があって複雑で人も混雑しているのに朝のラッシュ時から帰宅のラッシュに至るまで、その正確性がいかに凄いことかは快挙にいとまがない。つまりそういう性格、人種なのである。

これを産業材に置き換えていただきたい。

産業材で例えばメーカーであれば「モノづくり」をするにあたって必要なことは「正確な納期」と「確かな品質」だ。これを商流上の商社が助太刀しているのである。

身近な例で言うと食品工場、例えばパンの製造会社を想像していただきたい。大手のパンメーカーは24時間で稼働している。パンは原料貯蔵庫からホッパーなどでパンをコネる工程に運ばれ、そこでコネられ、次にベルトコンベアなどで搬送され、オーブンで焼かれて、フィルムでラッピングされる。単純にこれだけでも産業材が多数介在している。

ベルト、搬送機械、検査機器・・・あげたらキリが無い。そんな多くのものをいちいち工場の設備担当者や購買担当者が全部を把握して発注してられないのだ。その仕事をいわば商社が請け負う(アウトソースする)のである。

これが産業材の商社が生き残っている最大の要素なのだ。これらのサービス提供はその業界で働いている人にとっては当たり前のことであるが、なんだかんだ日本のモノづくりがまだ世界に通用している事のひとつに、この「御用聞きサービス」のレベルがあると筆者は考えている。

恐らく世界一だと思う。

商社はこの2点をこれでもか、と仕事に応用している。ただ最近はインターネットの出現でこの地位も危うくなってきた。

次回のブログで詳しく述べる。






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