【仕事】産業材ルートセールス~外回り 商社編~

産業材に関するルートセールスの内、メーカーについて別のブログ記事に記録した。今回は「商社」としての外回りとして記録していきたい。なお、筆者の記録する「産業材」とは主に「製造業」として記録していくのでご承知おき願いたい。

先にこの業界のおもな商流をおさらいしておく。

原料メーカー ➡ 商社1 ➡ 加工メーカー ➡ 商社2 ➡ 二次加工メーカー ➡ 商社3 ➡ 部品メーカー ➡ 商社4 ➡ セットメーカー ➡ 商社5 ➡ 中規模メーカー ➡ 商社6 ➡ 最終ビッグメーカー ➡ 商社7 ➡ 一般消費者

相変わらずである。長すぎねぇか。しかしこの商流こそジャパンなのである。(もう何度もブログ記事に載せているが紛れもない事実である。)

さて、では「商社」とはどの位置で紹介すればよいか迷うところであるが、今回はあえて「大手(つまり、商社1)」ではなく、中小(商社2以降)で記録していく事とする。

産業材 商社あるある

  1. どんな仕事をしているのか
  2. いいところ悪いところ
  3. あるある

1.どんな仕事をしているのか

語弊を承知で言えば仕事の大半は「注文が来たものを裁く(配達する)」事である。もう少し詳しく言うと「取引先から来た注文を上位の会社(商社1や加工会社)に発注し、届いた製品を届ける」である。

正直な話、これをご覧になられている方の大半は「産業材(製造業)」の製品なぞ、ほとんどご存知無いだろう。かく言う筆者も殆ど知らない。だいたい、「ベアリング」や「ベルト」一つとってもとてつもなく奥が深く、製品の型番から性能まで熟知することはメーカーの人間にとっても至難の業なのだ。

そこで商社の営業としては「来たものを捌く」事に徹する事となる。これも語弊を承知で言えば「商品なんぞ知らなくてもよい」。商社の仕事は基本的に「仲介」であるからだ。

取引先が「欲しい」と注文が来た製品を出来るだけ取引先が望む価格や納期で納入する事が最大の使命なのだ。

商社の規模によるが、基本的には取引先の傾向や業種によって取り扱う(注文となる)製品には傾向が生じる事が一般的である。そこで、ひたすらそれらの製品を仕入れ、販売していく事こそ、商社の仕事である。

「それでは仕事としてつまらんじゃん?」と感じた貴殿は相当甘い。前述した通り、製品の奥がとてつもなく深いので、正直商社の人間がいちいち全製品に精通することは不可能といって良い(いや、そう断言出来る)。

上位の商社(商社1など)や加工会社、場合によってはメーカーに直接かけあうこともある。働いたことのある方、もしくは働いている方ならご存知と思うが、日本の製造業に勤める人たちは海外等と比較して総じて「価格と時間にうるさく」、そのため仲介する商社としてはそのかじ取りをいかに実施出来るかが生き残りの一つのキーポイントとなる。

「希望する価格や納期通りに仕入れて販売する」事が仕事のため、マージンの設定も基本は営業の腕次第だ。とは言ってもこの業界、競合がいないわけはない。そのため、既製品であればマージンは殆ど横並びである。ただし、加工が(付加価値が付いた製品)絡むと途端に利益率も良くなる。

しかも前述の通り、商社は基本的に扱う商品を熟知できないほど、無限大と言っていいほど商材が幅広いのである。そのため、「営業で一旗あげたるわ!」と考える方がいれば、”やる気さえあれば”かなり仕事を取ってくることが可能だ。

何せ、まわりは「ルーチン」で仕事をこなしているだけの商社営業マンだらけである。る気と仕組みづくり次第でとてつもなく大きな商売をいきなり取ってこれる可能性もあるのだ。これは製造業、産業材のメーカーとしては難しい点で、商社冥利に尽きると言える。

2.いいところ悪いところ

この業界は地味過ぎて本当に一般の人にとって知られていない。しかし、約18年この業界に勤めている筆者としては断言出来る。この業界は極めてホワイトである。これが最大の「いいところ」だ。

なぜ、ホワイトなのか。それは「地味だがその分派手さもなく、無理強いもあまりされない」からだ。全部の会社に、とは言わない。全体的な「確率的に」と考えて頂きたい。(中小企業が主体なので、当然ながらブラック企業も多数存在する。筆者もそのブラックっぷりを見てきた。)

この業界は「朝から夕方まで」が基本なのだ。多くの会社は8:30始業だろう。終業時間は会社によって違うが17:30であることが多い。残業もあるだろうが、基本的に「朝仕事に来て、夜は帰る」事が基本ルーチンなのだ。

「この点のどこがいい点なのか」と考えた貴殿はよほどハイソサエティに違いない。昨今、24時間、働かなければならないサービス業などが溢れている世の中で「お日様が昇る時間から沈む時間までが就業時間」であることは幸せである、と筆者は感じている。

さらにこの業界、とにかく「土日祝日」は休みなのだ。実は中小企業は厳密には「土曜日出勤」を課されるケースが未だ多く見受けられるがそれもここ近年、急激に変わりつつある。「土日が休みではない」と言った途端に学生が就職を希望しないからだ。

そのため、大半の土日は休みになる。これも立派な利点である。毎週決まった期日に休みが来ることは「幸せ」である。筆者は学生時代に某ハンバーガー店でアルバイトをしていたのだが、過酷と言う他ない。24時間、365日、シフト制、土日も無し、時間制限無し、である。いくら給料が良くてもとてもじゃないが体がもたない。「長く勤めることが出来る」、これこそがこの産業材の最もいいところだと思う。

また、商社としていいところは前述したが「実は何でも扱える」点である。これはメーカーでは絶対に真似のできない事だからである。自社が得意とする商材を鞍替えする事なぞ、簡単である。単に仕入先を変えればいいだけの話だからだ。(ただし、業界的に初取引する場合は有利な価格や納期条件をメーカーから引き出せない、と言うデメリットがある。)

また、「悪いところ」と言えなくもないが、会社によるが基本的に給与水準は「並み」以外の何物でもない。大きく増えることも基本的に無く、ほとんど「横這い」である。「安定している」とメリットとして考えることも出来るが「もっと給料を稼ぎたい」と考える上昇志向の強い人にはデメリットでしかない。1憶の物件を取ってこようが基本的な給料は基本的に変わらないからである。

3.あるある

あるあるを少し箇条書きで記録しておく。

・とにかく社風と雰囲気が昭和

・メーカーとの交流会はゴルフ(ゴルフコンペ)

・社長の9割以上がゴルフ好き(何割かの確率でスナック好き)

・男性は営業、女性は内勤で事務

・意外に社内結婚が多い

・長く勤める人は60を過ぎても未だ働いている

・稀にノルマ地獄の会社がある

・稀に超ホワイトの会社がある

手書きの伝票を未だに書いている

・全般的にIT文化が遅れている(アナログ)

・社内がメーカーのカタログで溢れている

・営業車は喫煙車比率が高い

・上着が背広ではなく作業着(的な服)

まだまだ書き足りないが、今日はこれまで。

 

 

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